【社員インタビュー】事業の成長を加速させる共創に向け、スタートアップとの懸け橋に
オムロンの新規事業創造に挑むメンバーの活動内容に迫るインタビュー企画。
今回は、オムロンベンチャーズ株式会社の田中さんにお話を伺いました。
1.現在どんな仕事をしていますか?
コーポレートベンチャーキャピタル機能を担うオムロンベンチャーズ株式会社で、投資担当としてスタートアップの探索や連携を推進しています。オムロンの既存事業とスタートアップとの将来的な成長をどうやって加速するか、非連続的に起こすかということを検討しています。
そのなかでも、現在、特に注力しているのがデータソリューション事業本部(DSB)で進めているスマートM&S事業です。今年の7月にavatarinというスタートアップに出資し、流通・小売業の領域で新しいサービスを提供することを検討しています。
パワーとスピードがあるスタートアップの中で一緒に取り組める会社を見つけ、事業部との間の懸け橋になって連携を推進するのが担当業務です。
過去の経験から、大企業とスタートアップのスピード感や進め方の違いを理解し、お互いにとって進めやすい形を実現したいという思いで取り組んでいます。
2.これまでのキャリアとオムロンに入社したきっかけを教えてください
新卒で入社したエネルギー会社で、当時注目されていた燃料電池の家庭用システムでの活用に関する開発業務やCO2削減につながるプロジェクト推進を担当した後、モビリティ関連のスタートアップで事業開発に4年ほど携わりました。
手がけていたプロジェクトが一段落したのを機に、もう一度エネルギーに軸足を置いて社会貢献したいという思いから転職を検討した際、カーボンニュートラルやエネルギーに関連した新しい事業機会探索・事業立ち上げなどをしている部門としてオムロン・IXIの存在を知りました。
企業として社会的課題の解決に重点を置いている点や社員のWILLをとても大切にしている点に魅力を感じたのと、実際の面接の中で社員の方々とお話しして、「すごく楽しそうに働かれているな」という印象を持ち、入社を決めました。
3.現在の仕事のやりがいは何ですか?
担当業務では、社内各事業部のメンバーやスタートアップの方々とともに事業成長を加速させるために活動するわけですが、事業部側には事業への“想い”のあるリーダーがいて、もう一方のスタートアップにはもちろん強いWILLやパッションがある方が大勢いらっしゃる。
そういうメンバーと一緒にプロジェクトを推進できるので、チームに非常に熱量があり、楽しく感じています。
プロジェクトの初期では、その領域のスペシャリストであるスタートアップの方々や事業部メンバーに比べ、こちらの知識が不足しているため、課題の理解と業界についての理解を深めるところからのスタートとなります。理解を深めつつ一緒にプロジェクトに取り組むことで、あるタイミングでチームとして一体感が出てきます。距離感があったところから、仲間と認識してもらい信頼を得た瞬間、プロジェクトを皆で推進できているという実感が得られ、面白くなりますね。
現状は現場側のミッシングピースを理解した上でフィットするスタートアップ・協業相手を探索するアプローチがメインになっていますが、こちらから特長のある企業と組み方を事業部へ提案していく活動を増やすことで、「オムロンベンチャーズに頼んだら事業が進みそうだし、一緒にやっていこう」という良い流れを作り出していけそうです。
4.大切にしているバリューはありますか?
まずはWILLです。先ほどもふれましたが、プロジェクトの推進力としても欠かせないものだと思います。また、オムロンベンチャーズは投資対象が広いため、軸がないと全くピントが合いません。
「どの領域が伸びるか?」「オムロンにとってどこがいいのか?」「自分が何をやりたいのか?」と、基準一つで全然違う企業リストが並んでしまう中で、「これを実現したい」という想いが、事業部とスタートアップの共創には重要で、それがあると周りも巻き込みやすくなります。WILLの実現のためにオムロンをいい意味で使って世の中に貢献したいと考えています。
次に、ゲンバです。戦略がきれいに描けたとしても、現場の方に「これを実現したい」と思ってもらわなければプロジェクトは成功しないと思います。先ほどの話と関連しますが、現場の方のWILLと戦略がシンクロして一緒に推進できるというのがプロジェクトを成功させる上では非常に重要です。
*バリューとは組織のミッション・ビジョンを達成するため、一人ひとりの価値観を尊重しながら、組織としてぶれることなく分かち合うべき価値観/行動指針です。
5.今後のこと(事業の見通し、個人の目標)について教えてください
社内外問わず社会全体の傾向として、この先2030年に向けて人手不足が深刻化することが予想されます。
例えば小売業界であれば、事業継続のため従業員の確保や効率的な業務の実現が不可欠になると予想されています。 そのため、従業員にとっても魅力的な企業であり続ける必要がありますが、従業員にとって働きやすい労働環境の構築にはやはりデジタルの力、ロボットの力が必要だと思います。
同様に、社内でも事業の成長拡大を実現するためには人財の確保が不可欠です。
より効率的に、少人数でも多くの仕事ができるように、そして楽しく働ける場を作れるように。そういった観点で従業員を助けていく事業が求められていると感じます。
変化のタイミングでは特にバラエティに富んだチームが強いと思いますが、オムロンには「多様性の尊重」という社風があります。その観点でも、既存事業とスタートアップや他社との連携は重要なテーマだと思いますし、取り組みがいのあるポイントだと感じます。
個人の成長に関しては、「直感的な人」だと周りから言われるのですが、「直感」だけでは人を説得できないので、周りの人をうまく巻き込めるようになりたいと思っています。同じ部署のメンバーには頭の回転が速く、論点をクリアに整理をしたうえで議論を設計し、複雑に見える状況をシンプルに説明する方が多く、自分にはない魅力を持っている方が多数います。
周りの人の取り組み方や考え方、表現力などを上手に取り込んで、直感を人に伝わる形で表現し、具体的な活動に結びつけられるようにスキルアップして、スタートアップと事業部双方にとって好ましいアウトプットにつなげていきたいと思っています。