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【サービス企画・開発者インタビュー】展示会への出展で見えた、現場DX実現のために私たちができること

10月末、オムロンは愛知県名古屋市で開催された「第6回名古屋スマート工場EXPO」に出展しました。

今回は、無事に展示会出展を終えた「pengu」の担当者2名にインタビュー。前回の記事でもご登場いただいた「pengu」サービスのインサイドセールスを統括する小森吾朗さんと、もう一人は同サービスの新機能「SUISUIスマホOCR」のマーケティング・商品企画を担当した伏野里保さんです。今回の出展でどのような成果が得られたか、また今後のIXIの取り組みに活かせそうなヒントは見つかったのか? 展示会を振り返りながら、おふたりのお話をうかがっていきましょう。

この記事の登場人物
小森吾郎さん:事業企画・インサイドセールス担当。オムロングループに入社後、鉄道駅の改札機等のSEや、新規事業企画に従事。2021年からIXIでpenguの事業企画・立ち上げに携わり、展示会出展を企画実行。
伏野里保さん:事業アーキテクト。オムロンの法務部門にて契約書の作成/国内・海外の法務との会議体運営等を担当の後、IXIヘ異動。介護予防/ヘルスケア分野や農業分野などの事業企画・商品企画を経て、現在は企業のDXを支援する「pengu」の新機能であるスマホOCRのマーケティング・商品企画をリード。

組織名、役職などは取材当時のものです。


「他にはないサービス」と注目が集まる

小森さんに展示会を終えての率直な感想をうかがうと、「想像以上にたくさんのお客様とコンタクトを取れました」と安堵の表情を浮かべます。開催期間の3日間、IXIのメンバーが交代で説明員としてブースに立ち続けましたが、それでも応対しきれないほど多くの方が関心を寄せてくれたといいます。

小森:
お客様に「pengu」のご説明をすると、「他にはないサービスですね」「着眼点が新しい!」と言っていただけることが非常に多かったです。OCR、ETL、RPAの3つの機能だけでなく、現場スタッフをSEが育成するプログラムがセットになっているサービスというのは他にはないと注目していただけました。すでに具体的な商談に進んでいる企業様も多くあり、出展して本当に良かったと思っています。

来場者の中には「既存システムがあるので、1つのツールだけ単体で導入したい」という方も少なからずいたとのこと。それでも、小森さんが「pengu」は3つのツールで業務を横断しながら使うことで業務効率の効果が最大になるサービスであること、トータルで導入し、SEと現場でツールを最適化しながら使いこなしていくほうが長い目で見て効率的であることなどを丁寧に説明することで、納得してもらえたケースも多かったといいます。

データ活用ソリューション事業部の小森さん

「自分が現場を変える」意識を持つきっかけに


「pengu」は大手企業から中小企業まで、現在も幅広い現場への導入が進んでいます。今回オムロンのブースを訪れた方々も、企業の規模はさまざまだったそう。小森さんは、企業規模の大小を問わず、現場で働く人たちが「自分の力で現場を変えていくんだ」という意識を持つきっかけになれるのが、「pengu」だと語ります。

小森:
現場で働く方ご自身にこのサービスを使っていただくことで、自動化が進み、時間に余裕が生まれます。空いた時間をほかの業務改善やデータ分析に使うことで生産性を上げていけるのが理想です。そんな仕事のしかたがどんどん会社の中で広まって、一人ひとりの力がいずれ会社全体を大きく動かせるようになってほしい。改めてその思いを確かめることができました。

自分たちのねらいは間違っていなかった

ストラテジー&ビジネスアーキテクトユニットの伏野さん

説明員としてブースに立ったのは今回が初めてだったという伏野さん。「お客様から気になっていることをたくさん質問していただいて、つい長時間話し込んでしまうようなことも。一つ一つがとても貴重な経験で、楽しかったです」と当日の様子を振り返ります。

伏野さんは、開発中の「pengu」新機能「SUISUIスマホOCR」(以下、スマホOCR)のマーケティング・商品企画担当者。スマホOCRは、その名の通りスマートフォンのカメラがスキャナーの代わりとなり、帳票の文字などをAIが読み取ってデータ化できる機能です。オムロングループの工場で働く社員から「スキャナーがない環境でも、その場ですぐに文字をデータ化したい」という要望があり、その現場の声をきっかけに生まれました。

伏野:
スマホOCRについて、大々的に皆さんにご紹介するのは、今回の展示会が初めてでした。想定していたとおり、「その場で文字を読み取りたい」という意見を多数ヒアリングでき、私たちがとらえていたニーズは間違っていなかったんだ、と確信を持つことができました。

伏野:
当日は、ブースの前を通過する方々にも、積極的にチラシをお渡ししていました。何気なく受け取ったお客様の中には、後でスマホOCRのチラシが含まれていることに気づき、ブースまで来られ、「これこそ求めていたものだと思って、説明を聞きに来ました。ぜひ使ってみたいです!」と言われた方もいらっしゃいました。その出来事が嬉しくて、ブースに立っていたからこそできた経験だなと思っています。

伏野さんが今回のサービス開発でもっとも意識したのは、「ユーザーがやりたいことを本当に叶えられているか」という点だといいます。ユーザーの求めに応じて新しいシステムやサービスを作るとき、ユーザー自身が“本当にやりたいこと・求めているもの”を完璧に言語化できていないことは往々にしてあり得ること。ユーザーの言葉をベースにシステムやサービスを検討していきますが、ユーザーが本当にやりたいことと私たちが実現することがずれないように、という意識は今後も持ち続けたいと語ります。

伏野:
現場も観察しながら、「ユーザーが本当に欲しいものは何なのか?」をいつも考えています。けれど、ユーザーが言葉にできてない部分も含めて汲み取って形にすることは、とても大事で、同時にとても難しいことだと思います。今回、「まさに欲しかったものだ」と言ってもらえたことは、本当に嬉しかったですね。

働く人も、会社もハッピーになれるように


3日間ブースに立ち続けた2人。製造現場で働く人たちのリアルな声を聞き、現場の課題を解決に導く使命感、そして今後の展望についても思いを馳せる機会になったといいます。

小森:
いろんな現場に同様の課題がありそうだと感じたので、今後は製造業以外の展示会にも出展を検討しています。幅広い業界にアプローチして、より多くの人に「pengu」やIXIの取り組みを知っていただき、活用していただきたいですね。
また、自動化できる業務の範囲を増やしたり、デジタル化した後のデータ活用もサポートしたりと、サービスの拡充にも取り組んでいきたいと考えています。まだ、最終的に目指しているデータ流通社会への一歩目を踏み出したところですが、さらにその先のサービスを見据えて歩んでいきたいと思います。

伏野:
産業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性に気づき、さまざまなアプローチで取り組んでいるものの、実際には未だに手作業で苦労している人が現場にはたくさんいるのだと今回の出展で強く感じました。大量の紙帳票のデータをひたすら手入力する、システムからデータを取り出して加工や集計をする……単純作業に追われて、新たな業務改善や価値創出に挑戦できない人が想像以上にいらっしゃいます。そういったストレスフルな作業から解放されて、より創造的な仕事にシフトしていけたら、働く人のキャリアにとっても有用なことだと思うんです。
ですから、「pengu」のようなツールがもっと一般化していけばいいなと、思っています。特に中小企業の方からは「DX化はハードルが高いイメージがある」という声もありましたが、もっと気軽に使ってもらえるようになれば、業務改善はどんどん進んでいきます。働く人にとっても、会社にとっても、ハッピーな状態を作っていきたいですね。

さらに今回の出展で2人が改めて感じたのが、IXIメンバー同士のチームワークの良さだったそう。

小森:
当日は常に10人ほどのメンバーがブースに立っていましたが、正直なところ、「みんなちゃんと接客ができるのだろうか」と、少し不安もありました。ふたを開けてみると、それぞれ上手に工夫していて、試行錯誤しながらも自分なりのスタイルを作り、名刺交換やサービス説明ができていたのが、嬉しい発見でしたね。「この人はコミュニケーションをとるのがうまくて、この人は丁寧な説明が得意」といったメンバーの個性も見えてきたので、今後は個人の得意・不得意を活かしたチーム作りができそうだなと感じています。

まとめ


現場が抱える問題を解消し、業務の改善、そして社会全体の発展につなげていきたいという強い思いから「pengu」は生まれました。「現場視点」にこだわって開発したサービスですが、これはあくまでも“IXIができること”のひとつに過ぎません。IXIは、社会的課題を解決したいと真摯に取り組むメンバーとともに、これからもさまざまなアプローチで挑戦を続けていきます。

熱意を持って現場の業務改善に、そして新しい働き方の実現に取り組むIXIメンバーに会いに、ぜひオムロンのブースを訪ねてみてください。


現場業務のIT化を支援する「pengu」については、こちら。


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