【社員インタビュー】データ分析で介護予防を支える
オムロンの新規事業創造に挑むメンバーの活動内容に迫るインタビュー企画。
今回はデータソリューション事業本部(DSB)・自立支援事業部の宮村さんにお話を伺いました。
1.現在どんな仕事をしていますか?
所属している自立支援事業部は、高齢者の方が末永くいきいきと生活できるよう健康寿命の延伸を目指して、自治体や地域包括支援センターに対して高齢者の介護予防につながる4つのサービスを提供しています。
私はデータ活用分析グループのリーダーとして、データ分析支援サービスを顧客へ提供する業務を行っています。
まず介護予防ケアマネジメント支援システム「ハレクルWith」に入力された、介護予防ケアマネジメントを通じて作成される利用者のアセスメント情報、ケアプランなどのデータを分析します。それを基に自治体や地域包括支援センターに対して、ケアマネジメントや自立支援サービス実施における課題を提示して、今後課題解決のための施策形成に役立ててもらうという役割です。
2.これまでのキャリアとオムロンに入社したきっかけを教えてください
大枠のバックグラウンドとしては、ずっとITエンジニアの仕事をしていました。
新卒でSIerに入り、SEとして企業の基幹系システムの開発を3年ほど行いました。
その後、社内の異動で、ビッグデータの活用・分析を行う部署に配属されました。主に大量データをどのように蓄積するか、蓄積されたデータをどのように分析して新しい知見・発見や予測を行うかを検証することがミッションでしたが、徐々に単なる技術検証だけではなく、顧客に対してデータ分析の提案や業務遂行も行うようになりました。
そのような経験から、データ分析で事業に直接貢献したいという気持ちが芽生え、事業会社への転職を考えるようになりました。人材系の事業会社に転職し、分析環境の整備や社内のBIツール導入の推進など、自社内のデータ利活用を補佐・推進する業務に3年ほど従事しました。
事業会社におけるデータ利活用の良い経験になりましたが、あくまで社内データ分析に留まっていたので、自分自身でデータ活用を通じて事業を拡大していくような仕事がしたいと思い、2度目の転職を考えました。
元々メーカーのデータ分析に興味があったことと、自立支援事業の実証事業が終わり正式に商用化するタイミングで、データ分析のグループリーダーとして活躍してほしいというお話をいただいたので、ジョインすることにしました。
3.現在の仕事のやりがいは何ですか?
2024年度、「ハレクルWith」が正式にリリースされ、これから集まったデータを具体的に分析していく段階です。
「高齢者の方が末永くいきいきと生活できる地域づくりを目指す」という自治体の一番の目標を、データ分析を通じてどのようにサポートするか。例えば、「高齢者の方に、適切な自立支援サービスを提供できているか?」「自立支援サービスを通じて、利用者の体力状態がきちんと改善できているか?」など、どんな課題を解決すると、よりよい地域づくりに貢献できるかを考えることが一番重要だと感じています。
当然、一言で自治体と言っても、自立支援の取り組みの状況・レベル感は自治体ごとに全く異なり、それぞれに応じた分析が求められます。 また、自立支援事業は自治体、地域包括支援センター、介護事業所など、立場や考えが異なるステークホルダーが多数いるため、それぞれの立場に立ち、俯瞰的に状況を捉え、分析設計をする必要があります。定量的な意味では同じデータだったとしても、自治体によって分析結果の提示の意味合いが異なります。
このような複雑な状態から、自分で試行錯誤するだけでなく、顧客のことをよく知るカスタマーサクセスグループ と連携して、議論を通じて分析方針を考えることが、難しくもあり楽しさでもあります。
そこでうまくデータが活きて、価値ある施策に活用され、元気な高齢者が増えてきたという事実が生まれれば、それが何よりうれしい。
まずはそこに向けて結果を出すための工夫が大変であると同時に、腕の見せどころでもあります。
4.自分の強みを活かせるのはどんなときですか?
各チームとのコミュニケーションを取るときです。
データ分析の業務は、データ分析グループだけで完結はできません。データを収集するためには商品開発グループと調整しないといけないですし、自治体へ価値ある分析を提供するためにはカスタマーサクセスグループや商品企画グループと連携がかかせません。
今までの経験として、プロジェクトリーダーという立ち位置を任せられることも多かったため、プロジェクトの推進に必要なチーム間の連携などはスムーズにできていると思っています。特に広義なITエンジニアとしての経験が長いため、データの領域だけでなく、商品開発グループとはスムーズにコミュニケーションが取れていると思っています。
性格的な部分では、どちらかというと調和を取りたいタイプなので、様々な情報を考慮したうえで、現実的な落としどころを探すことが多いです。
5.大切にしているバリューはありますか?
オーナーシップとゲンバです。
オーナーシップは当事者意識の意味。「データ分析グループだから、データ分析だけやっていればいい」という考え方はしたくありません。事業が立ち上がったばかりということもあり、業務フロー設計、データの取り扱いルールの策定、運用設計、体制構築など、事業部としてやるべき業務が山積みです。「自分が事業を大きくしていく」という当事者意識で、1つのグループのリーダーという役割にとどまらず、他グループに積極的に働きかけ、自立支援事業を育てていきたいです。
次にゲンバです。
一度、介護予防ケアマネジメント会議(ケアマネジャーを中心に高齢者のケアに関わるスタッフが参加して情報共有や意見交換を行う)を見学参加させていただいただけでも、介護予防の現場が抱えている課題の解像度がすごく上がりました。
もちろん、事前に説明を聞き、各種資料に目を通すことで、知識としては理解していましたが、具体的にどういう話が行われているか、参加者の温度感はどうなのかなど、実際に行かないとわからないことも多々あります。特に自立支援事業に関しては現場の課題感というのは非常に重要なものなので、可能な限り現場で直接感じることが大事だと思います。
*バリューとは組織のミッション・ビジョンを達成するため、一人ひとりの価値観を尊重しながら、組織としてぶれることなく分かち合うべき価値観/行動指針です。
6.今後のこと(事業の見通し、個人の目標)について教えてください
事業の面では、ハレクルWithの導入が拡大していく中で、データ分析でどう事業拡大に貢献できるかという視点を意識していきたいです。
各自治体に対して一辺倒の分析では意味がなく、それぞれの課題感をきちんとデータ分析を通じて抽出していくことが、データ分析グループとして大事になってくると思っています。 そのためには、データ分析の価値を自治体のみなさまに伝えていくことも、大切な仕事だと思っています。
個人の目標としては、今後事業拡大に伴ってデータ分析グループのメンバーが増えたときに、グループ内をうまくマネジメントしながら他グループとの連携に今以上に力を入れていきたいのが一つ。
加えて、 現在はハレクルWithの顧客に対する価値提供を第一に考えて対応していますが、ゆくゆくは自立支援事業部内で得た経験やノウハウを活かして、社内のデータ利活用促進につながる活動などもできたらと考えています。